高千穂写真ギャラリー「高千穂の夜神楽」(岩戸五ヶ村神楽)


岩戸五ヶ村神楽 平成17年12月3日〜4日 於:日陰小組 甲斐誠治氏宅

No. 演目 人数 内容 命付 JPG
宮神事 16時頃、歳神社で神事と直会(なおらえ)。移動は自動車で移動。

舞入(まいいれ) 17時頃、外注連の前から、宿に舞い込む。

神事 17時15分頃。神迎えの儀。このあと一旦解散。ほしゃ(舞手)は、入浴等で帰宅。観客はこの間、各自持参の食事などして待つ。
神事 18時30分頃。
夕食 ほしゃ(舞手)さんに食事が出される。
御神屋(みこうや) 19時40分頃。
太殿(たいどの) 19時50分頃。神楽を行う社を建立する舞。 久久之遅命(くくぬちのみこと)・金山彦命(かなやまひこのみこと)・迦具土命(かぐつちのみこと)・水波売命(みずはのみこと)
神降(かみおろし) 20時10分頃神庭を清めて神を勧請する舞。神降・鎮守・杉登の3番を「式3番」と言う。日神楽(昼に舞われる短い神楽)では必ず舞われる。 神漏岐命(かむろぎのみこと)【天神】・忍穂耳命(おしほみのみこと)【地神】・中筒男命(なかつつおのみこと)【海神】
鎮守(ちんじゅ) 20時40分頃神が社に降臨し鎮まり給うことを表現した舞。 大屋津姫命(おおやつひめのみこと)・■(=木+爪)津姫命(つまづひめのみこと)
杉登(すぎのぼり) 2+1 20時50分頃。神が神殿に杉を伝わって降臨してくる神楽。途中で入鬼神が入る。岩戸五ヶ村神楽の杉登の入鬼神では、平成17年度は「尾迫の荒神」面が使用された。 椎根津彦命(しいねつひこのみこと)・菟狭津彦命(うさつひこのみこと)・入鬼神は武御雷命(たけみかづちのみこと)

地固(じがため) 21時30分頃。国作りや田作りのために土地を堅固にする舞。最後、中央には扇子でなく素襖(すおう)が置かれる。 天児屋根命(あめのこやねのみこと)・事代主命(ことしろぬしのみこと)・太玉命(ふとたまのみこと)・五十猛命(いそたけるのみこと)



幣神添(ひかんぜ) 22時20分頃。御幣(ごへい)を持って舞う。高千穂の方言では幣を「ひ」と発音する。 彦狭知命(ひこさしりのみこと)・手置帆負命(たおきほおひのみこと)



弓正護(ゆみしょうご) 22時50分頃。弓の神威をもって悪魔を祓う神楽。 月夜見命(つくよみのみこと)・天日鷲命(あめのひわしのみこと)

住吉(すみよし) 4+1+2 23時35分頃。海神を讃える讃える神楽。岩戸五ヶ村神楽では、舞の途中で入鬼神に連れられたシシが入る。シシは2人で1頭で、観客席に入り観客の頭を噛んでまわる。 大綿津見命(おおわだつみのみこと)・中筒男命(なかつつおのみこと)・底筒男命(そこつつおのみこと)・表筒男命(うわつつおのみこと)



夜食(よながり) 0時頃。観客へも煮染めやお握りや豚汁など振る舞われる。ちなみに、岩戸五ヶ村地区では料理は男衆(おとこし)が作っているそうである。
岩潜(いわくぐり) 0時40分頃。岩間を走る激流の意で、太刀をくぐる舞。 武御雷命(たかみかづちのみこと)・手置帆負命(たおきほひのみこと)・天目一筒命(あめのまひとつつのみこと)・天穂日命(あめのほひのみこと)



10 袖花(そではな) 1時45分頃。猿田彦命が天鈿女命の袖を引いて導いたことから縁結びの舞と言われる。 天鈿女命(あめのうずめのみこと)・■(=木+爪)津姫命(つまづひめのみこと)・石凝姥命(いしこりどめのみこと)・木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)
11 芝のり 2時10分頃。天孫ににぎの尊が柴輿に乗り降り給う舞。平成17年度は天孫ににぎの尊に「尾迫の荒神」面が使用されました。 天孫ににぎの尊と氏神(歳神社)

12 地割(じわり) 2+2 土地の割り替えの舞。「山の神」を神格化した荒神が、密教の三宝荒神と習合して、のちに竈神としての神格が残った。岩戸五ヶ村地区では神主2名と荒神2名の問答。 須佐之男命(すさのおのみこと)【荒神】・太玉命(ふとたまのみこと)【幣差】・武御雷命(たけみかづちのみこと)【太刀舞】・天児屋根命(あめのこやねのみこと)【神主】・月読命(つくよみのみこと)【弓舞
13
本花(ほんはな) 2時40分頃。おめでたいご披露の祝いの舞。 天鈿女命(あめのうずめのみこと)・石凝姥命(いしこりどめのみこと)・■(=木+爪)津姫命(つまづひめのみこと)・木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)

14 七貴神(しちきじん) 平成17年度は親1人子5人の6人だった。 3時15分頃。大国主神と子供神6人の合計7人の神が登場し、親神が子供神に舞を教える舞。
この年は、子神に観光客の飛び入りを起用していた。
大国主命(おおくにぬしのみこと)と子神六神



15 御神体(ごしんたい) 3時40分頃。イザナギ・イザナミ2神の国産みの舞。酒こしの舞とも言われる。平成17年度は、観客席に遊びに行ったり、せんぐ撒きとして飴を撒いたりしていた。 伊邪那岐命(いざなぎのみこと)・伊邪那美命(いざなみのみこと)

16 蛇切(じゃきり) 4時5分頃。すさのおの尊の大蛇退治の舞。 須佐之男命(すさのおのみこと)

17 八鉢(やつばち) 4時15分頃。すさのおの尊が嫁を迎えて喜びの舞。太鼓に逆立ちをしたり、岩戸地区では御神体(木製の男性のシンボル)も登場する。 須佐之男命(すさのおのみこと)

18 四人武智(よにんぶち) 4時30分頃。「鞭かざし」ともいう風難よけの舞。岩戸五ヶ村の武智は他の地区の半分のサイズである。 弟橘姫命(おとたちばなひめのみこと)・衣通郎姫命(そとほりいいらつひめのみこと)
19 四人鎮守 5時頃。岩戸地区に特有な舞。四人で舞う鎮守、神々の喜びの舞。 四人鎮守の命付けは書いた資料がないので不明である。
20 火の前(ひのまえ) 2+1 5時15分頃。火伏の舞。岩戸五ヶ村地区では、他の地区の地割の竈祭りに似た舞いで、竈祭りの後、舞出る。平成17年度は「尾迫の荒神」面が使用されました。 火の前の命付けは書いた資料がないので不明である。



21 沖逢(おきえ) 5時35分頃。海原より来る神を招ずる舞。 天村雲命(あめのむらくものみこと)・思兼神(おもいかねのかみ)・事代主神(ことしろぬしのかみ)・天穂日命(あめのほひのみこと)

22 大神(だいじん) 6時5分頃。荒神の神威を大幣として表し、麻緒の力によって魔祓をして福を招来する祓いの力のこもった願神楽。 矢房八郎拝鷹天神(やぶさのはちろうはいたかてんじん)・道反命(みちのたんのみこと)・伊勢津彦(いせつひこ)

23 山森(やまもり) 6時15分頃。龍神の舞。青龍・白龍・赤龍・黒龍の四王尊が、鹿の皮を取ってきて太鼓を作る時の舞。岩戸五ヶ村地区には山の神とシシは登場しない。 青龍王命(せいりゅうおうのみこと)・赤龍王命(しゃくりゅうおうのみこと)・白龍王命(はくりゅうおうのみこと)・黒龍王命(こくりゅうおうのみこと)

朝食 7時10分〜8時
24 柴引(しばひき) 8時5分頃。天香具山の榊を根ごと抜いて、岩戸の前に飾る舞。 太玉命(ふとたまのみこと)


25 伊勢(いせ) 8時25分頃。岩戸開きを迎える祓いの舞。 天児屋根命(あめのこやねのみこと)
26 前の手力雄(まえのたぢからお) 8時40分頃。天照大神が天岩戸に隠れているところを探り、天岩戸を開くために思案する舞。 手力雄命(たぢからおのみこと)
27 鈿女(うずめ) 8時55分頃。天鈿女命が、天岩戸の前で調子面白く舞った舞。 天鈿女命(あめのうずめのみこと)
28 戸取(ととり) 9時5分頃。手力雄命が天岩戸を開き、岩戸を投げる舞。投げる場所は、「信濃の国戸隠嶽」で戸は1枚。 手力雄命(たぢからおのみこと)。
戸取りの明神(ととりのみょうじん)とも呼ばれる。


29 舞開(まいぎらき) 9時15分頃。天岩戸が開いた喜びの舞。舞の途中から、神主が日月の鏡を思兼命にわたす。平成17年度は「尾迫の荒神」面が使用されました。 思兼命(おもいかねのみこと)。

30 繰下(くりおろし) 9時40分頃。みどりの糸を持って舞う。 天児屋根命(あめのこやねのみこと)・天村雲命(あめのむらくものみこと)・天日鷲命(あめのひわしのみこと)・天帆負命(あめのほおいのみこと)。

31 雲下(くもおろし) 8+1 10時頃。神楽33番のフィナーレ。岩戸五ヶ村神楽では八丁注連を持って舞う。男性の観客の希望者も飛び入り参加可能。但し人数制限有り。10時15分頃終了。

※岩戸五ヶ村神楽は、毎年新暦12月3日に近い土日に行われます。
※家の中でありますが、ほとんど戸を開けたままのため、一晩中見るということは、寒さとの戦いです。防寒具を忘れずに。
※平成17年度は「五穀」「太刀神添」が省略された31番が奉納されました。


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