押方嶽宮神楽 平成17年12月10日〜11日 於:佐藤直志氏宅
No. | 演目 | 人数 | 内容 | 命付 | JPG |
宮神楽(みやかぐら) | 全員 | 14時30分頃。嶽宮神社にて神事、「神降」。 | |||
道行き(みちゆき) | 嶽宮神社から神楽宿に向かう。このとき神社にお尻を向けないように弓・太刀の正護の4人はひたすら後ろ向きに進む(=高千穂弁で「ひぞる」)。 | ||||
舞入(まいいれ) | 外注連を3回回って宿に舞い込む。 | ||||
神事 | |||||
夕食 | 1礼1拍手でいただきます。 | ||||
御神屋誉(みこうやほめ) | 3 | 太鼓を打ちながら唱教を唱える。神楽宿や道具などを誉める。 | |||
1 | 彦舞(ひこまい) | 1 | 猿田彦命が天孫降臨のおのころ島に見立てた桝に乗って四方割りを行う。 | 猿田彦命(さるたひこのみこと) | |
2 | 太殿(たいどの) | 4 | 神楽を行う社を建立する舞。 | 久久之遅命(くくぬちのみこと)・金山彦命(かなやまひこのみこと)・迦具土命(かぐつちのみこと)・水波売命(みずはのみこと) | |
3 | 神降(かみおろし) | 3 | 神庭を清めて神を勧請する舞。神降・鎮守・杉登の3番を「式3番」と言う。日神楽(昼に舞われる短い神楽)では必ず舞われる。 | 神漏岐命(かむろぎのみこと)【天神】・忍穂耳命(おしほみのみこと)【地神】・中筒男命(なかつつおのみこと)【海神】 | |
4 | 鎮守(ちんじゅ) | 2 | 神が社に降臨し鎮まり給うことを表現した舞。 | 大屋津姫命(おおやつひめのみこと)・■(=木+爪)津姫命(つまづひめのみこと) | |
5 | 杉登(すぎのぼり) | 2+1 | 神が神殿に杉を伝わって降臨してくる神楽。途中で入鬼神が入る。 | 椎根津彦命(しいねつひこのみこと)・菟狭津彦命(うさつひこのみこと)・入鬼神は武御雷命(たけみかづちのみこと) | |
お神酒あげ | 全員 | 式3番が終了したので、御神酒上げを行う。 | |||
6 | 地固(じがため) | 4 | 国作りや田作りのために土地を堅固にする舞。 最後に「宝渡しの儀式」がある。 |
天児屋根命(あめのこやねのみこと)・事代主命(ことしろぬしのみこと)・太玉命(ふとたまのみこと)・五十猛命(いそたけるのみこと) | |
7 | 幣神添(ひかんぜ) | 2 | 御幣(ごへい)を持って舞う。高千穂の方言では幣を「ひ」と発音する。 | 彦狭知命(ひこさしりのみこと)・手置帆負命(たおきほおひのみこと) | |
8 | 住吉(すみよし) | 4 | 海神を讃える讃える神楽。 |
大綿津見命(おおわだつみのみこと)・中筒男命(なかつつおのみこと)・底筒男命(そこつつおのみこと)・表筒男命(うわつつおのみこと。 | |
9 | 武智(ぶち) | 2 | 「鞭かざし」とも言われ、「山森」の前奏曲として二番続けて舞われる。戦いの準備の舞とも、龍王の舞とも言われる。 | 弟橘姫命(おとたちばなひめのみこと)・衣通郎姫命(そとほりいいらつひめのみこと) | |
10 | 五穀(ごこく) | 5 | 五穀(米・稗・粟・豆・玉蜀黍)豊饒を祈る神楽。 | 倉稲魂命(うかのみたまのみこと)・大田命(おおたのみこと)・大宮売命(おおみやめのみこと)・保食神(うけのちのかみ)・大己貴命(おおなむちのみこと) | |
11 | 八鉢(やつばち) | 1 | 少彦名命が唐国より珍しい宝物や薬草を入手して帰国の途中、嬉しさのあまり船べりを叩いた喜びの舞。 太鼓の上で逆立ちをする。 |
※押方嶽宮神社では、少彦名命(すくなひこなのみこと)でなく、すさのおの命の説をアナウンスしている。 | |
12 | 大神(だいじん) | 3 | 荒神の神威を大幣として表し、麻緒の力によって魔祓をして福を招来する祓いの力のこもった願神楽。 | 矢房八郎拝鷹天神(やぶさのはちろうはいたかてんじん)・道反命(みちのたんのみこと)・伊勢津彦(いせつひこ) | |
13 | 岩潜(いわくぐり) | 1+4 | 岩間を走る激流の意で、太刀をくぐる舞。 | 武御雷命(たかみかづちのみこと)・手置帆負命(たおきほひのみこと)・天目一筒命(あめのまひとつつのみこと)・天穂日命(あめのほひのみこと) | |
14 |
弓正護(ゆみしょうご) | 2 | 弓の神威をもって悪魔を祓う神楽。 最後に「宝渡しの儀式」がある。 |
月夜見命(つくよみのみこと)・天日鷲命(あめのひわしのみこと) | |
15 | 御神体(ごしんたい) | 3 | イザナギ・イザナミ2神の国産みの舞。酒こしの舞とも言われる。 | 伊邪那岐命(いざなぎのみこと)・伊邪那美命(いざなみのみこと) | |
16 | 七貴神(しちきじん) | 7 | 大国主神と子供神6人の合計7人の神が登場し、親神が子供神に舞を教える舞。 | 大国主命(おおくにぬしのみこと)と子神六神 | |
17 | 太刀神添(たちかんぜ) | 2 | 武御雷神の戦いの舞。 | 経津主神(ふつぬしのかみ)・武御雷神(たかみかづちのかみ) | |
18 | 沖逢(おきえ) | 4 | 海原より来る神を招ずる舞。 |
天村雲命(あめのむらくものみこと)・思兼神(おもいかねのかみ)・事代主神(ことしろぬしのかみ)・天穂日命(あめのほひのみこと) | |
19 | 袖花(そではな) | 4 | 猿田彦命が天鈿女命の袖を引いて導いたことから縁結びの舞と言われる。 | 天鈿女命(あめのうずめのみこと)・■(=木+爪)津姫命(つまづひめのみこと)・石凝姥命(いしこりどめのみこと)・木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと) | |
20 | 地割(じわり) | 5 | 土地の割り替えの舞。「山の神」を神格化した荒神が、密教の三宝荒神と習合して、のちに竈神としての神格が残った。台所で竈祭を行い、舞い込む。平成17年度は、問答は省略された。 | 須佐之男命(すさのおのみこと)【荒神】・太玉命(ふとたまのみこと)【幣差】・武御雷命(たけみかづちのみこと)【太刀舞】・天児屋根命(あめのこやねのみこと)【神主】・月読命(つくよみのみこと)【弓舞】 |
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21 | 山森(やまもり) | 5+2 | 龍神の舞。青龍・白龍・赤龍・黒龍・黄龍の五王尊が、鹿の皮を取ってきて太鼓を作る時の舞。 | 青龍王命(せいりゅうおうのみこと)・赤龍王命(しゃくりゅうおうのみこと)・白龍王命(はくりゅうおうのみこと)・黒龍王命(こくりゅうおうのみこと)・黄龍王命(おうりゅうおうのみこと)=大山祇命(おおやまずみのみこと) | |
22 | 本花(ほんはな) | 4 | おめでたいご披露の祝いの舞。 | 天鈿女命(あめのうずめのみこと)・石凝姥命(いしこりどめのみこと)・■(=木+爪)津姫命(つまづひめのみこと)・木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと) | |
23 | 柴引(しばひき) | 1 | 天香具山の榊を根ごと抜いて、岩戸の前に飾る舞。 | 太玉命(ふとたまのみこと) | |
24 | 伊勢(いせ) | 1 | 岩戸開きを迎える祓いの舞。 | 天児屋根命(あめのこやねのみこと) | |
25 | 手力雄(たぢからお) | 1 | 天照大神が天岩戸に隠れているところを探り、天岩戸を開くために思案する舞。 | 手力雄命(たぢからおのみこと) | |
26 | 鈿女(うずめ) | 1 | 天鈿女命が、天岩戸の前で調子面白く舞った舞。 | 天鈿女命(あめのうずめのみこと) | |
27 | 戸取(ととり) | 1 | 手力雄命が天岩戸を開き、岩戸を投げる舞。投げる場所は、「日向の国小戸の檍ヶ原」と「伊勢の国山田ヶ原」が一般的であるが、地区によっては、「信濃の国戸隠嶽」とする地区もある。 | 手力雄命(たぢからおのみこと)。 戸取りの明神(ととりのみょうじん)とも呼ばれる。 |
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28 | 舞開(まいぎらき) | 1 | 天岩戸が開いた喜びの舞。舞の途中から、神主が日月の鏡を手力雄命にわたす。奉仕者全員が御幣を手に賀歌(はぎうた)を歌う。「天の戸を押し分け出づるやー天の戸を」「月と日を諸手に持ちてやー舞い遊ぶ。月こそまされやー宵も照らしゃる。」 | 手力雄命(たぢからおのみこと)。 | |
神事 | 岩戸が開いて拝礼 | ||||
29 | 日の前(ひのまえ) | 4 | 「幣の舞」とも称され、外注連を祭る神楽。 | 天児屋根命(あめのこやねのみこと)・猿田彦命(さるたひこのみこと)・天鈿女命(あめのうずめのみこと)・思兼神(おもいかねのかみ) | |
30 | 御柴(おんしば) | 2 | 瓊瓊杵尊(十社大明神)と氏神(嶽宮神社)が柴に乗って神遊びをする舞。問答がある。 |
十社大明神と氏神(嶽宮神社) | |
31 | 注連口(しめくち) | 4+1 | みどりの糸を持って舞う。入鬼神が入る。 | 天児屋根命(あめのこやねのみこと)・天村雲命(あめのむらくものみこと)・天日鷲命(あめのひわしのみこと)・天帆負命(あめのほおいのみこと)。 入鬼神 |
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32 | 繰下(くりおろし) | 4 | みどりの糸を持って舞う。 | 天児屋根命(あめのこやねのみこと)・天村雲命(あめのむらくものみこと)・天日鷲命(あめのひわしのみこと)・天帆負命(あめのほおいのみこと)。 | |
33 | 雲下(くもおろし) | 5 | 神楽33番のフィナーレ。雲から紙ふぶきが舞い落ちる。 | 神漏美命(かむろみのみこと)・手置帆負命(たおきほおいのみこと)・太玉命(ふとたまのみこと)・思兼命(おもひかねのみこと)・天児屋根命(あめのこやめのみこと) | |
神送り | 全員 | 神楽宿から神社へ神を送る。10時10分頃終了。 |
※押方嶽宮神楽は、毎年12月第2土日行われます。およその日にちが決まっていますが、変更される場合もありますので、あらかじめ日程を確認してください。
※食事のふるまいは地区のしきたりで行われます。式三番の後の神事以降、御神酒が出されるまでの間の飲食は控えましょう。
※家の中でありますが、戸を開けたままのため、一晩中見るということは、寒さとの戦いです。防寒具を忘れずに。
※押方嶽宮地区では、三脚(一脚)が禁止されてはいませんが、後ろの人が見えない様な高さは注意されます。他の人に迷惑をかけないように見学しましょう。
※押方嶽宮神楽は、「中央」の舞の足の所作が三田井系統の他の地区に無い独特な足運びが見られます。W字形に動いて回転するため、遠くから見ると、輪が大きくなったり小さくなったり、見えます。理由を聞かれたりされましても、この地区では昔からそうだったとしか答えられませんので、ご理解ください。また、「どちらが本当ですか?」という質問にも「『地区ごとに自分たちのが…』という誇りを持って伝えられるのが良いことなので…、答えられません。」としか答えられませんので、ご理解ください。
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