高千穂写真ギャラリー「高千穂の夜神楽」(黒仁田神楽)2006


黒仁田神楽 平成19年1月27日〜28日 於:黒仁田公民館

平成18年度の黒仁田神楽で、ほしゃどん楽屋の壁に掲示されていた神楽歌13首(とある神楽の本で回文として紹介のある歌も黒仁田地区の紙のそのまま書いていますので回文になっていなかったりしていますが、そのつもりで…。)

四方念じて行えば中や正面舞い遊ぶ。
中央六分を行えばいばらのはちすも雨ぞこそ降る。
日向なるあいぞめ川の端にこそ宿世結びの神ぞまします。
日向なる二上岳の麓にて乳が岩屋に子種まします。
三日月は何とて山端を急ぐなり山より奥は住家ではなし。
春来れば花の恵みもさよい出る春日が来れば花はさくなり。
秋の田の穂の上照らす稲妻の光の間にぞ神ぞまします。
今日の氏の御祈祷さお鹿の黄金の箱におさめまします。
高千穂の名は山田舎もとむらをたずねて聞けば花の落ち方。
10 から竹に咲いてこだれし藤の花踏み散らさずに遊べうぐいす。
11 あれを見よ八重のえ垣を押し分けて今こそ入り来る神の御座船。
12 吹けば行く吹かねば行かぬむら雲の風にまかせて身こそ安けれ。
13 八角の御殿の柱を知らずして我人知らず知る者はなし。
No. 演目 人数 内容 命付 JPG
15時30分頃。ほしゃどん達が公民館へ集合。
神事 清め祓い式。御神酒上げして神社に向かう。
黒仁田神社へ歩いて移動。
黒仁田神社神事 御神体を神輿に乗せる。
道行き(みちゆき) 黒仁田神社から弁財天神社へ徒歩で移動。
宮神楽(みやかぐら) 「とうせい」序曲・始楽。 彦さしまの大神・天津秘日命
道行き(みちゆき) 弁財天神社から黒仁田公民館へ徒歩で移動。先頭の襷に頭をなでてもらうと縁起が良いということで、頭を差し出す村人が多い。神輿の下を潜って戻ってくるという参拝方法もあり、見物の村人が参加している風景がアマチュアカメラマンのシャッターチャンスになっている。(カメラマンの皆様、夢中になるあまりに行列は止めないでくださいね。また、他のカメラマンの画角を邪魔しないようにお互いに気配りをしましょう。)

舞入(まいいれ) 外注連を回り、宿に舞い込む。※神庭以外もぐるぐる回るので、荷物は壁際によせておき、中央に置いておかないようにしましょう。



御神屋(みこうや)の前半 太鼓を打ちながら唱教を唱える。神楽宿や道具などを誉める。扇の手。 天村雲命・天津大火命


彦舞(ひこまい) 猿田彦命が天孫降臨のおのころ島に見立てた桝に乗って四方割りを行う。御神屋の入鬼神的な登場である。
東→西→南→北の順に拝んだ。
猿田彦命(さるたひこのみこと)
御神屋(みこうや)の後半 御弊の手 天村雲命・天津大火命
鎮守(ちんじゅ) 神が社に降臨し鎮まり給うことを表現した舞。黒仁田神楽では、鎮守・とうせい・杉登の3番を「式3番」と言う。日神楽(昼に舞われる短い神楽)では必ず舞われる。 おやづひめ命・つまづひめ命



とうせい 彦さしまの大神・天津秘日命

杉登(すぎのぼり)の前半 御花の手・閉扇の手・開扇の手 しいねつ彦命・うさつ彦命

弁財天(べんざいてん) 柘の瀧守護の神の舞い。登場の際、「引き出し役」が付く。
杉登(すぎのぼり)の後半 素袍の手・御幣の手 しいねつ彦命・うさつ彦命

式典 玉串奉献では、最後に参列者代表の人に合わせて一般の参列者(観光客)も二礼二拍手一礼をお願いします
直会(なおらえ) 黒仁田神楽では、一礼一拍手で「いただきます」を言う。
神颪(かみおろし)の前半 神庭を清めて神を勧請する舞。 かむろぎの命・おんしめおふの命・忍穂耳命

若宮(わかみや) 黒仁田神社氏神様の舞い。登場の際、「引き出し役」が付く。
神颪(かみおろし)の後半 神庭を清めて神を勧請する舞。 かむろぎの命・おんしめおふの命・忍穂耳命

10 地固(じがため)の前半 国作りや田作りのために土地を堅固にする舞。 みちのたんの命・事代主命・玉のおや命・いたるの命
11 荒神(こうじん) 登場の際、「引き出し役」が付く。
地固(じがため)の中半 国作りや田作りのために土地を堅固にする舞。 みちのたんの命・事代主命・玉のおや命・いたるの命
12 プログラムで「入鬼神」となっている、「座張り」(ざはり) 登場の際、「引き出し役」が付く。とにかく大暴れした舞。座を散らせるので座張りと言うらしいが、直後の演目で太刀を振り回すので観客との接触事故予防の意味があるらしい。※観客の皆様へ、次の舞で刀を振り回しますがくれぐれも事故にあわれないようにご注意ください。

地固(じがため)の後半 国作りや田作りのために土地を堅固にする舞。 みちのたんの命・事代主命・玉のおや命・いたるの命

13 大神(だいじん)の前半 4人舞であるがめくりの説明には3人の神の説明。伊勢の命・みちのたんの命・はいたか天神・矢房命
14 八鉢(やつばち) 少彦名命、太鼓に乗っての舞い。 少彦名命

大神(だいじん)の後半 唱教・御幣の手・盆の手・舞い上げ 4人舞であるがめくりの説明には3人の神の説明。伊勢の命・みちのたんの命・はいたか天神・矢房命

15 住吉(すみよし)の前半 住吉大明神・春日大明神・白賀大明神・大熊大明神
16 稲荷(いなり) 住吉の入鬼神として稲荷が登場する点は、三田井系の浅ヶ部や下川登とも共通している。 正一位稲荷大明神
住吉(すみよし)の後半 住吉大明神・春日大明神・白賀大明神・大熊大明神
夜食
17 岩潜り(いわくぐり)の前半 武みかずら命・猿田彦命・たこふい命・天のひとい
ノーカウントの座張り
岩潜り(いわくぐり)の中 武みかずら命・猿田彦命・たこふい命・天のひとい
ノーカウントの座張り 若手のほしゃどんのジャンプの高さは見事です。
岩潜り(いわくぐり)の後半 武みかずら命・猿田彦命・たこふい命・天のひとい






18 五天皇(ごつてんのう) うかのみ王・大なむら命・かうたの命・大宮姫の命



19 田植神楽(たうえかぐら) 牛の鋤入れ・畦塗り・早乙女・杵舞・箕舞※牛は大暴れして観客席に乱入してきますので注意してください。※平成18年度は、箕舞で「せんぐ(=餅)撒き」がありました。※向山南小中学校で教鞭を取られた先生方で、よそ(町外)に転勤になった先生も神楽に帰って来られて参加されているそうです。過疎による人手不足の折、有り難い限りです。(^^)






20 弓正護(ゆみしょうご) あめのひわしみみの命・月よみの命

21 山森(やまもり) 4※平成18年度は弓2人太刀2人の4人のみだった。 青竜王・黒竜王・白竜王・赤竜王

22 沖逢(おきえ) 火伏せ神楽。 天村雲命・天種子命




23 七貴神(しちきじん) 親荒神が子に舞を教える舞。若手ほしゃどんが子神になっており、ユニークな舞に笑いが起こり、観客の目覚まし神楽でもある。 七福神

24 注連口(しめくち) プログラムには6とあるが4だった 神送りするところ。「繰下し」と「注連口」が合体した感じだが、実際は「繰下し」の部分であった。入鬼神は無かった。※外注連前のアルミサッシの戸が開け放たれるため寒くなります。午前6時15分頃の外気はとても寒いです。七貴神の笑いで起きなかった観客も流石に寒さで目が覚めます。(^^;)。平成18年度は雪こそ降ってはいませんでしたが、西高東低の冬型で冷え込みました。車の窓はバリバリに凍結していました。 手力雄命とあるが、4人舞だったので本年は入鬼神が省略されたものと思われる。



25 柴引(しばひき) 天香具山の榊を根ごと抜いて、岩戸の前に飾る舞。 大玉王命

26 鈿女(うずめ) 天鈿女命が、天岩戸の前で調子面白く舞った舞。 天鈿女命
27 手力雄(たぢからお) 天照大神が天岩戸に隠れているところを探り、天岩戸を開くために思案する舞。 手力雄命
28 伊勢神楽(いせかぐら) 岩戸開きを迎える祓いの舞。 天児屋根命
29 戸取(ととり) 手力雄命が天岩戸を開き、岩戸を投げる舞。投げる場所は、「日向の国小戸の檍ヶ原」と「伊勢の国山田ヶ原」が一般的であるが、地区によっては、「信濃の国戸隠嶽」とする地区もある。 手力雄命。
戸取りの明神とも呼ばれる。



30 舞開(まいぎらき) 天岩戸が開いた喜びの舞。日之影町大人神楽の流れを組む尾狩神楽と黒仁田神楽では天照大神役の子供が手力雄命に導き出される。奉仕者全員が御幣を手に賀歌(はぎうた)を歌う。
(黒仁田神楽の舞開きの歌)
「月と日を諸手にもちて舞遊ぶ月こそましゃれ宵も照らしゃる」「日向なる逢初川の端にこし祝せ結びの神ぞまします」「日向なる二上岳のふもとにて乳が岩屋に子種まします」「今日の氏のごきとうさおしかの黄金の箱におさめまします」「君が世の久しかるべし祈りして今日の月日納めまします」
天照大神・手力雄命。

31 雲下(くもおろし) 神楽33番のフィナーレ。雲から紙ふぶきが舞い落ちる。8時終了。終了後、えりものを希望者に配布するが「えりものを彫るのにも手間が掛かっておりますので、いくらとは言いませんが、お気持ちを入れてください。」との説明で有料で(ただし数量に限り有り)頒布されている。 思兼命・神むすび命・天児屋根命・天大火命・火大王

神事 神送りの祝詞があり、神事の後、平成18年度は朝食が出されていました。

※黒仁田神楽は、毎年新暦1月最終土日に行われます。
※黒仁田神楽は基本的に戸を立てた状態ですので、他の地区ほど寒くはありませんが、明け方の「注連口」の時には戸を開けますので、正面に陣取られた方は寒いです。防寒具を忘れずに。
※三脚は禁止されてはいませんが、コンセントは使用禁止となっています。他の方に迷惑にならない様な場所で三脚を使用し、各自バッテリーを持参しましょう。
※2006年度は、「武智」「火の前」が行われませんでした。(プログラムの「入鬼神」は「座張り」と解釈しました。「座張り」は、座を散らす、則ち神楽宿のお客さんを神庭に寄っている状態から少し離れた状態にして、神庭のスペースを確保する為に大暴れして舞います。これは、その次の演目で太刀を振り回したりした際にお客さんとの接触事故を回避する目的があると思われます。)
※命付けは黒仁田神楽で配布される資料を元にしています。明らかに間違いと思われる神名もありますが、あえてそのまま書いていますのであまり気にしないで読んでください。
※黒仁田神楽でよくある質問で「演目が戻るので今何の演目かわからない」という質問が多いようです。これは長い舞の途中で着面の入鬼神舞が入るためです。また、配布されたプログラムの順番でないのも、初心者の舞、中堅者の舞、ベテランの舞が有る中で同じ人が連続演舞で疲れるのを防ぐ意味もありますのでご理解ください。


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