高千穂写真ギャラリー「高千穂の夜神楽」(河内神楽)2010年度


河内神楽 平成23(2011)年1月8日〜9日 於:指野 田上幸治氏宅

No. 演目 人数 内容 命付 JPG
準備
夕食 15:07。ほしゃどんと世話役さんの食事。
宮へ移動 ほしゃどん達は車で熊野鳴滝神社へ移動。今年より西臼杵支庁勤務で新富町出身の村田さんが弟子入り。入門の条件として河内の夜神楽には帰って来て舞うことを約束させられたそうです。過疎の地区にとっては積極的な勧誘活動を進めなくては存続の危機はまぬがれないので、師匠さんたちの取り組みに拍手です。
宮で神事 北野神社で、戸高重喜さんの太鼓の演奏の後、御神体(神鏡)を神輿にのせて、奉仕者は御祓いを受ける。
道行き(みちゆき) 熊野鳴滝神社からこの年は自動車で移動し神楽宿の近くから道行きをしました。


舞入(まいいれ) 17時10分頃、外注連は回れる構造ではあったが時間が押していて、そのまま宿に舞い込む。
神事
彦舞(ひこまい) 17時22分頃。猿田彦命が天孫降臨のおのころ島に見立てた桝に乗って四方割りを行う。※河内地区では東西南北の順番である。今年は神前が東であった。 猿田彦命(さるたひこのみこと)
神降(かみおろし) 18時47分頃。神庭を清めて神を勧請する舞。鎮守・神颪・杉登の3番を「式3番」と言う。日神楽(昼に舞われる短い神楽)では必ず舞われる。 神漏岐命(かむろぎのみこと)【天神】・忍穂耳命(おしほみのみこと)【地神】・中筒男命(なかつつおのみこと)【海神】
鎮守(ちんじゅ) 18時19分〜37分。神が社に降臨し鎮まり給うことを表現した舞。普通2人舞いであるが、この年は4人で舞った。 4人鎮守の命付は、不明。
杉登(すぎのぼり) 2+1 18時38分〜19時15分。神が神殿に杉を伝わって降臨してくる神楽。途中で入鬼神が入る。尻付きあり。 椎根津彦命(しいねつひこのみこと)・菟狭津彦命(うさつひこのみこと)・入鬼神は武御雷命(たけみかづちのみこと)※平成22年度も入鬼神は素戔鳴命(すさのうのみこと)とのアナウンスがあった。



式典・直会 式3番終了の神事と食事
地固(じがため) 20時33分〜21時13分。国作りや田作りのために土地を堅固にする舞。最後に宝渡しがある。 天児屋根命(あめのこやねのみこと)・事代主命(ことしろぬしのみこと)・太玉命(ふとたまのみこと)・五十猛命(いそたけるのみこと)




武智神添(ぶちかんぜ) 21時16分〜21時37分。武御雷神の戦いの舞。 4人の命付け不明。



山森(やまもり)の前半 河内地区は幣挿し・弓・太刀(年によっては鉄砲)。※解説では、「山森の口」とアナウンスされていた。 青龍王命(せいりゅうおうのみこと)・赤龍王命(しゃくりゅうおうのみこと)・白龍王命(はくりゅうおうのみこと)・黒龍王命(こくりゅうおうのみこと)・黄龍王命(おうりゅうおうのみこと)=大山祇命(おおやまずみのみこと)



山森の口(やまもりのくち) 1+7 河内地区は外から舞いこむ。幣挿し・太刀2・弓・山ノ神・女神・シシとシシ追いの勢子(道化荒神)。
※外注連から神庭の中心にかけて観客席の人は道を空けてください。


山森(やまもり)の後半 1+2 河内地区は山ノ神・シシの舞。 青龍王命(せいりゅうおうのみこと)・赤龍王命(しゃくりゅうおうのみこと)・白龍王命(はくりゅうおうのみこと)・黒龍王命(こくりゅうおうのみこと)・黄龍王命(おうりゅうおうのみこと)=大山祇命(おおやまずみのみこと)

住吉 河内地区では、火伏の神楽といわれている。今年度の太鼓のこぐちは後藤盛義師匠84才でした。22:36〜23:19。


10 岩潜(いわくぐり) 23:25〜0:01。岩間を走る激流の意で、太刀をくぐる舞。帯は安産祈願。ちなみに戦時中までは真剣を使っていたそうであるが、戦後からは模造刀になったそうである。 武御雷命(たかみかづちのみこと)・手置帆負命(たおきほひのみこと)・天目一筒命(あめのまひとつつのみこと)・天穂日命(あめのほひのみこと)




11 弓正護(ゆみしょうご) 弓の神威をもって悪魔を祓う神楽。最後に宝渡しの儀式がある。0:03〜0:45。 月夜見命(つくよみのみこと)・天日鷲命(あめのひわしのみこと)





12 幣神添(ひかんぜ) 御幣(ごへい)を持って舞う。高千穂の方言では幣を「ひ」と発音する。上野・田原系統では道化荒神が登場するが、今年は、普通の入鬼神だった。0:45〜1:20。 彦狭知命(ひこさしりのみこと)・手置帆負命(たおきほおひのみこと)。




夜食
13 御神体(ごしんたい) 1時48分頃。イザナギ・イザナミ2神の国産みの舞。酒こしの舞とも言われる。今年も本物の焼酎(但し非常に寒かったので、お湯割り)をガブガブ飲んであった。最後にせんぐ撒き有り。餅飛来注意。 伊邪那岐命(いざなぎのみこと)・伊邪那美命(いざなみのみこと)




14 本花(ほんはな) おめでたいご披露の祝いの舞。2:10〜2:48。 天鈿女命(あめのうずめのみこと)・石凝姥命(いしこりどめのみこと)・■(=木+爪)津姫命(つまづひめのみこと)・木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)


15 大神(だいじん) 荒神の神威を大幣として表し、麻緒の力によって魔祓をして福を招来する祓いの力のこもった願神楽。最後に3度の拝みを5方(東・南・西・北・中央)行い、白米を蒔く。2:48〜3:35 矢房八郎拝鷹天神(やぶさのはちろうはいたかてんじん)・道反命(みちのたんのみこと)・伊勢津彦(いせつひこ)




16 五穀(ごこく) 五穀(米・稗・粟・豆・玉蜀黍)豊饒を祈る神楽。本年度は最初に御神酒上げの儀式があった。 倉稲魂命(うかのみたまのみこと)・大田命(おおたのみこと)・大宮売命(おおみやめのみこと)・保食神(うけのちのかみ)・大己貴命(おおなむちのみこと)



17 太刀神添(たちかんぜ) 武御雷神の戦いの舞。4:29〜4:56。 4人なので命付不明。



18 地割(じわり) 竈から舞い出す。前半は幣挿し・太刀2・弓1・荒神3名の7名。
後半は3名。
出てくる場所は異なるが、舞の流れは、山森の口と山森と似ている。問答は省略された。4:57〜5:16。


19 沖逢(おきえ) 海原より来る神を招ずる舞。5:16〜5:51。 天村雲命(あめのむらくものみこと)・思兼神(おもいかねのかみ)・事代主神(ことしろぬしのかみ)・天穂日命(あめのほひのみこと)



20 柴引(しばひき)めくりには「芝引き」とあった。 5時51分頃。天香具山の榊を根ごと抜いて、岩戸の前に飾る舞。
※平成22年度の河内地区では「柴引きの、げん太夫」とアナウンスがあった。


21 伊勢(いせ) 6時13分。岩戸開きを迎える祓いの舞。 天児屋根命(あめのこやねのみこと)

22 手力男命(たぢからおのみこと) 天照大神が天岩戸に隠れているところを探り、天岩戸を開くために思案する舞。 手力男命(たぢからおのみこと)
23 鈿女(うずめ) 7時5分。天鈿女命が、天岩戸の前で調子面白く舞った舞。御幣は岩戸幣の横冠を使っていた。 天鈿女命(あめのうずめのみこと)
24 戸取(ととり) 7時16分。手力雄命が天岩戸を開き、岩戸を投げる舞。河内地区では、投げる場所は、「信濃の国戸隠嶽」と「日向の国小戸の檍ヶ原」と言っていた。 手力雄命(たぢからおのみこと)。
河内地区では、戸隠しのさん太夫(とがくしのさんだゆう)とも呼ばれる。


26 舞開(まいぎらき) 天岩戸が開いた喜びの舞。 手力雄命(たぢからおのみこと)。
27 繰下(くりおろし) 4+1 内注連で舞う。入鬼神。
三田井地区の繰下しと注連口が合体した形。
天児屋根命(あめのこやねのみこと)・天村雲命(あめのむらくものみこと)・天日鷲命(あめのひわしのみこと)・天帆負命(あめのほおいのみこと)。
入鬼神






神事 終了時間は8時50分頃でした。河内地区では最後にみどりの糸を持って名前と数えの年齢を言ってお願い事をして糸を右に回って左に戻して祈る儀式があり、女性もこの時は神庭に入ることが許される。このあと、えりものや御幣が希望者に配布される。(ただし、数に限りがあるので、枚数に制限あり。)

※河内神楽は、毎年新暦1月第一土日前後に行われます。
※建物の中でありますが、戸を開けたままのため、一晩中見るということは、寒さとの戦いです。防寒具を忘れずに。
※三脚は端か後ろのみ可。
※平成22年度は33番のうち26番が舞われました。(繰り下ろしに注連口が合体しているので、27番になるが、めくりには注連口は無く、山森の口がある。)
※平成22年度も磁石の方位でなく、神前が東で五行が配されていました。
※平成22年度は終了時間は午前8時50分でした。
※山森の口については、入場までが山森の口で、後半が山森です。めくりにもありました。
※神楽歌や唱行の節回しが独特で面白いです。
※ほしゃにマイクが付けられており、舞いの解説もあるので観光客には割合わかりやすいと思う。
※受付では観光協会からの高千穂の夜神楽の本などが販売されていた
※上田原地区のように外に飲食用テントが設けられていました。やきとり屋さんが店を出されていました。


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