高千穂写真ギャラリー「高千穂の夜神楽」(河内神楽)2008年度


河内神楽 平成21(2009)年1月10日〜11日 於:栃屋 岩下一吉氏宅

No. 演目 人数 内容 命付 JPG
準備 今年は牛年なので牛のえりものはデザインチェンジでより細かなデザインに変更されていました。



注連おこし 14時4〜5分。神庭が完成したので、太鼓と鉦を叩いて「注連おこし」を行う。
宮へ移動 ほしゃどん達は車で熊野鳴滝神社へ移動。去年11月に完成した神楽殿で今年は練習をしてきたそうだ。神楽殿には雲があったので、神楽宿の夜神楽でも是非最後に「雲下し」を行って欲しいと思ったのは私だけではないと思う。
宮で神事 16時45分頃、熊野鳴滝神社で、戸高重喜さんの太鼓の演奏の後、御神体(神鏡と隠居面)を神輿にのせて、奉仕者は御祓いを受ける。
道行き(みちゆき) 熊野鳴滝神社からこの年は自動車で移動し、神楽宿の近くから30mほど道行きをしました。


舞入(まいいれ) 17時13分頃、外注連は回れる構造ではないので、そのまま宿に舞い込む。


彦舞(ひこまい) 17時20分頃。猿田彦命が天孫降臨のおのころ島に見立てた桝に乗って四方割りを行う。※河内地区では東西南北の順番であるが、今年は磁南→磁東→磁西→磁北になってしまっていた。単なるミスと思われる。 猿田彦命(さるたひこのみこと)


神降(かみおろし) 18時38分頃。神庭を清めて神を勧請する舞。鎮守・神颪・杉登の3番を「式3番」と言う。日神楽(昼に舞われる短い神楽)では必ず舞われる。 神漏岐命(かむろぎのみこと)【天神】・忍穂耳命(おしほみのみこと)【地神】・中筒男命(なかつつおのみこと)【海神】



鎮守(ちんじゅ) 18時7分〜30分。神が社に降臨し鎮まり給うことを表現した舞。普通2人舞いであるが、この年は小学生1年生2人と3年生と4年生の4人で舞った。 4人鎮守の命付は、不明。



杉登(すぎのぼり) 2+1 18時36分〜19時18分。神が神殿に杉を伝わって降臨してくる神楽。途中で入鬼神が入る。尻付きあり。 椎根津彦命(しいねつひこのみこと)・菟狭津彦命(うさつひこのみこと)・入鬼神は武御雷命(たけみかづちのみこと)※平成20年度は入鬼神は素戔鳴命(すさのうのみこと)とのアナウンスがあった。







式典 式3番終了の神事と神楽保存会(=後援会)長挨拶と食事
※本年、河内地区では神楽保存会という言葉を後援会の意味で使われていた。


地固(じがため) 20時41分〜21時17分。国作りや田作りのために土地を堅固にする舞。最後に宝渡しがある。 天児屋根命(あめのこやねのみこと)・事代主命(ことしろぬしのみこと)・太玉命(ふとたまのみこと)・五十猛命(いそたけるのみこと)









武智神添(ぶちかんぜ) 武御雷神の戦いの舞。 4人の命付け不明。






住吉(すみよし) 河内地区では、火伏の神楽といわれている。





岩潜(いわくぐり) 22時28分〜23時8分。岩間を走る激流の意で、太刀をくぐる舞。帯は安産祈願。ちなみに戦時中までは真剣を使っていたそうであるが、戦後からは模造刀になったそうである。 武御雷命(たかみかづちのみこと)・手置帆負命(たおきほひのみこと)・天目一筒命(あめのまひとつつのみこと)・天穂日命(あめのほひのみこと)







沖逢(おきえ) 海原より来る神を招ずる舞。 天村雲命(あめのむらくものみこと)・思兼神(おもいかねのかみ)・事代主神(ことしろぬしのかみ)・天穂日命(あめのほひのみこと)










10 弓正護(ゆみしょうご) 弓の神威をもって悪魔を祓う神楽。最後に宝渡しの儀式がある。 月夜見命(つくよみのみこと)・天日鷲命(あめのひわしのみこと)




11 山森の口(やまもりのくち) 1+7 河内地区は外から舞いこむ。幣挿し・太刀2・弓・山ノ神・女神・シシとシシ追いの勢子(道化荒神)。
※外注連から神庭の中心にかけて観客席の人は道を空けてください。


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山森(やまもり) 3+2 河内地区は幣挿し・弓・山ノ神・シシの舞。 青龍王命(せいりゅうおうのみこと)・赤龍王命(しゃくりゅうおうのみこと)・白龍王命(はくりゅうおうのみこと)・黒龍王命(こくりゅうおうのみこと)・黄龍王命(おうりゅうおうのみこと)=大山祇命(おおやまずみのみこと)



13 本花(ほんはな) おめでたいご披露の祝いの舞。 天鈿女命(あめのうずめのみこと)・石凝姥命(いしこりどめのみこと)・■(=木+爪)津姫命(つまづひめのみこと)・木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)




14 御神体(ごしんたい) 1時28分頃。イザナギ・イザナミ2神の国産みの舞。酒こしの舞とも言われる。今年は本物の焼酎をガブガブ飲んであった。最後にせんぐ撒き有り。餅飛来注意。 伊邪那岐命(いざなぎのみこと)・伊邪那美命(いざなみのみこと)









夜食 部屋の中は飲食禁止。外のテントで食べてくださいとアナウンスがあった。
15 太刀神添(たちかんぜ) 武御雷神の戦いの舞。 4人なので命付不明。





16 五穀(ごこく) 五穀(米・稗・粟・豆・玉蜀黍)豊饒を祈る神楽。本年度は最初に御神酒上げの儀式があった。 倉稲魂命(うかのみたまのみこと)・大田命(おおたのみこと)・大宮売命(おおみやめのみこと)・保食神(うけのちのかみ)・大己貴命(おおなむちのみこと)





17 大神(だいじん) 荒神の神威を大幣として表し、麻緒の力によって魔祓をして福を招来する祓いの力のこもった願神楽。最後に3度の拝みを5方(東・南・西・北・中央)行い、白米を蒔く。 矢房八郎拝鷹天神(やぶさのはちろうはいたかてんじん)・道反命(みちのたんのみこと)・伊勢津彦(いせつひこ)






18 幣神添(ひかんぜ) 2+1 御幣(ごへい)を持って舞う。高千穂の方言では幣を「ひ」と発音する。上野・田原系統では道化荒神が登場するが、今年は、道化荒神ができる人が素面舞で舞っていて役がいなかったので、杉登りの入鬼神が再登場した変則パターンだった。 彦狭知命(ひこさしりのみこと)・手置帆負命(たおきほおひのみこと)。






18 地割(じわり) 竈から舞い出す。前半は幣挿し・太刀2・弓1・荒神3名の7名。
後半は3名。
出てくる場所は異なるが、舞の流れは、山森の口と山森と似ている。



19 柴引(しばひき) 5時25分頃。天香具山の榊を根ごと抜いて、岩戸の前に飾る舞。 ※平成20年度の河内地区では「柴引きの、げん太夫」とアナウンスがあった。


20 伊勢(いせ) 岩戸開きを迎える祓いの舞。 天児屋根命(あめのこやねのみこと)
21 手力男命(たぢからおのみこと) 天照大神が天岩戸に隠れているところを探り、天岩戸を開くために思案する舞。 手力男命(たぢからおのみこと)
22 鈿女(うずめ) 天鈿女命が、天岩戸の前で調子面白く舞った舞。御幣は岩戸幣の横冠を使っていた。 天鈿女命(あめのうずめのみこと)
23 戸取(ととり) 手力雄命が天岩戸を開き、岩戸を投げる舞。河内地区では、投げる場所は、「信濃の国戸隠嶽」と「日向の国小戸の檍ヶ原」と言っていた。 手力雄命(たぢからおのみこと)。
河内地区では、戸隠しのさん太夫(とがくしのさんだゆう)とも呼ばれる。


24 舞開(まいぎらき) 天岩戸が開いた喜びの舞。今年は、82才の後藤衛義師匠の舞。 手力雄命(たぢからおのみこと)。

←月にはウサギの絵。
25 繰下(くりおろし) 4+1 内注連で舞う。入鬼神。
三田井地区の繰下しと注連口が合体した形。
天児屋根命(あめのこやねのみこと)・天村雲命(あめのむらくものみこと)・天日鷲命(あめのひわしのみこと)・天帆負命(あめのほおいのみこと)。
入鬼神









神事 終了時間は8時10分頃でした。河内地区では最後にみどりの糸を持って名前と数えの年齢を言ってお願い事をして糸を右に回って左に戻して祈る儀式があり、女性もこの時は神庭に入ることが許される。このあと、えりものや御幣が希望者に配布される。(ただし、数に限りがあるので、枚数に制限あり。)

※河内神楽は、毎年新暦1月第一土日前後に行われます。
※建物の中でありますが、戸を開けたままのため、一晩中見るということは、寒さとの戦いです。防寒具を忘れずに。
※三脚は端か後ろのみ可。
※平成20年度は33番のうち25番が舞われました。(繰り下ろしに注連口が合体しているので、26番になるが、めくりには注連口は無く、山森の口がある。)
※平成20年度も磁石の方位に五行が配されていて、神前は北で金、観客からみて後ろに外注連があり、東に木、観客の右側が南で火、観客側が西で土が配されていました。太鼓は、楽屋が観客から見て右にあったので南側にありました。
※平成20年度は終了時間は午前8時10分でした。
※山森の口については、入場までが山森の口で、後半が山森です。めくりにもありました。
※神楽歌や唱行の節回しが独特で面白いです。
※ほしゃにマイクが付けられており、舞いの解説もあるので観光客には割合わかりやすいと思う。
※受付では熊野鳴瀧神社のお守りなどが販売されていた。
※今年の岩下一吉さん宅は新築のため、柱を傷つけないように板でカバーされていたり、観客の飲食は外でお願いしますという徹底ぶりでした。上田原地区のように外に飲食用テントが設けられていました。やきとり屋さんたこ焼き屋さんも店を出されていました。
※土曜日は、朝から雪が降り、日曜日にかけても時々降っていました。高森峠は、FR車が坂の途中で2箇所ほど止まっていました。車で来られる方は、チェーン等滑り止めをお忘れ無く。


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