高千穂写真ギャラリー「高千穂の夜神楽」(浅ヶ部神楽2008)


浅ヶ部神楽 平成20年12月20日〜21日 於:梅木 佐藤輝光氏宅

No. 演目 人数 内容 命付 JPG
準備



昼食(ちゅうしょく) 全員 12時45分頃。
神庭固め(こうにわかため) 全員 13時35分頃。神庭の準備が整った御祓い
宮へ行く前の神事 全員 13時40分頃。係りの分担が発表される。

宮神楽(みやかぐら) 全員 熊野三社大権現(岩下神社)にて神事、「鎮守」。豆腐とご飯とお酒が振舞われる。棒術のデモンストレーションもある。







道行き(みちゆき) 岩下神社から浅ヶ部の5つの地区を通って神楽宿に向かう。途中、稲荷社の下で稲荷面が行列に参加する。途中で参拝者が神輿の下を潜る。(必ず往復しなければならない。)平成20年度も横手地区の甲斐家の前で給水ポイントならぬ、給酒ポイントが登場、御神酒配りがありました。
※今年はとくに神社の鳥居の下のカメラマンのマナーの悪さにびっくりでした。行列をふさぐと神様が通れません。後ろに構えている人もいます。マナーアップをお願いします。











舞入(まいいれ) 外注連を3回回りたかったが、庭が狭く外注連が回れない構造であったので、外注連は回らずに、庭を3回回る変則スタイルで舞入れ。






舞入の問答(まいいれのもんどう) 17時10分頃。神主と荒神の問答。この間、庭先では棒術のデモンストレーションが行われている。
御神屋誉(みこうやほめ) 4+3 今年は省略された。
彦舞(ひこまい) 17時22分頃。猿田彦命が天孫降臨のおのころ島に見立てた桝に乗って四方割りを行う。 猿田彦命(さるたひこのみこと)





太殿(たいどの) 17時35分頃。神楽を行う社を建立する舞。 久久之遅命(くくぬちのみこと)・金山彦命(かなやまひこのみこと)・迦具土命(かぐつちのみこと)・水波売命(みずはのみこと)


神降(かみおろし) 17時50分頃。神庭を清めて神を勧請する舞。神降・鎮守・杉登の3番を「式3番」と言う。日神楽(昼に舞われる短い神楽)では必ず舞われる。 神漏岐命(かむろぎのみこと)【天神】・忍穂耳命(おしほみのみこと)【地神】・中筒男命(なかつつおのみこと)【海神】








夕食(ゆうしょく) 全員 ほしゃどんの食事。一礼一拍手でいただきますと言う。一般の見学者は各自食事を準備しましょう。
楽屋入り式 18:24頃。係分けなど発表され、ほしゃどんにちりがみが配られる。
祭典 全員 19:01頃。
鎮守(ちんじゅ)
19:21頃。神が社に降臨し鎮まり給うことを表現した舞。 大屋津姫命(おおやつひめのみこと)・■(=木+爪)津姫命(つまづひめのみこと)










杉登(すぎのぼり) 2+1 19時43分頃。神が神殿に杉を伝わって降臨してくる神楽。途中で入鬼神が入る。途中で「空柴」あり。 椎根津彦命(しいねつひこのみこと)・菟狭津彦命(うさつひこのみこと)・入鬼神は武御雷命(たけみかづちのみこと)











地固(じがため) 20:20頃。国作りや田作りのために土地を堅固にする舞。途中で「空柴」あり。最後に「宝渡し」あり。 天児屋根命(あめのこやねのみこと)・事代主命(ことしろぬしのみこと)・太玉命(ふとたまのみこと)・五十猛命(いそたけるのみこと)
















幣神添(ひかんぜ) 21:26頃。御幣(ごへい)を持って舞う。高千穂の方言では幣を「ひ」と発音する。 彦狭知命(ひこさしりのみこと)・手置帆負命(たおきほおひのみこと)








住吉(すみよし) 4+1 21:56頃。海神を讃える讃える神楽。
浅ヶ部神楽では、住吉の途中で入鬼神(稲荷)が入る。
大綿津見命(おおわだつみのみこと)・中筒男命(なかつつおのみこと)・底筒男命(そこつつおのみこと)・表筒男命(うわつつおのみこと)・浅ヶ部のみ入鬼神(稲荷)が入る。
















沖逢(おきえ) 22:55分頃。海原より来る神を招ずる舞。 天村雲命(あめのむらくものみこと)・思兼神(おもいかねのかみ)・事代主神(ことしろぬしのかみ)・天穂日命(あめのほひのみこと)












10 太刀神添(たちかんぜ) 23:36頃。武御雷神の戦いの舞。 経津主神(ふつぬしのかみ)・武御雷神(たかみかづちのかみ)













次の舞いの説明 次は八鉢の予定であったが、小道具探しで時間がかかっているので本花になった経緯と舞の説明を高千穂神社の後藤俊彦宮司さんが行われた。
11 本花(ほんはな) 0:37頃。おめでたいご披露の祝いの舞。 天鈿女命(あめのうずめのみこと)・石凝姥命(いしこりどめのみこと)・■(=木+爪)津姫命(つまづひめのみこと)・木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)









12 八鉢(やつばち) 1:09頃。少彦名命が唐国より珍しい宝物や薬草を入手して帰国の途中、嬉しさのあまり船べりを叩いた喜びの舞。
太鼓の上で逆立ちをする。
少彦名命(すくなひこなのみこと)




13 袖花(そではな) 1:30頃。猿田彦命が天鈿女命の袖を引いて導いたことから縁結びの舞と言われる。 天鈿女命(あめのうずめのみこと)・■(=木+爪)津姫命(つまづひめのみこと)・石凝姥命(いしこりどめのみこと)・木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)


14 御神体(ごしんたい) 1:45頃。イザナギ・イザナミ2神の国産みの舞。酒こしの舞とも言われる。途中、観客席へ浮気に行く。最後に餅が撒かれる。観光客に人気ナンバーワンの演目。子供が眠った後ということで、2時頃行われる。この後、観客が減るので、観客席が寒くなる。従って、これからが神楽マニアの時間である。 伊邪那岐命(いざなぎのみこと)・伊邪那美命(いざなみのみこと)
















15 弓正護(ゆみしょうご) 2:24頃。弓の神威をもって悪魔を祓う神楽。最後に宝渡しの儀式がある。途中、シシが帰ってきた。 月夜見命(つくよみのみこと)・天日鷲命(あめのひわしのみこと)










16 五穀(ごこく) 2:58頃。五穀(米・稗・粟・豆・玉蜀黍)豊饒を祈る神楽。 倉稲魂命(うかのみたまのみこと)・大田命(おおたのみこと)・大宮売命(おおみやめのみこと)・保食神(うけのちのかみ)・大己貴命(おおなむちのみこと)






17 岩潜(いわくぐり) 4+1(引き出し) 3:40頃。岩間を走る激流の意で、太刀をくぐる舞。 武御雷命(たかみかづちのみこと)・手置帆負命(たおきほひのみこと)・天目一筒命(あめのまひとつつのみこと)・天穂日命(あめのほひのみこと)










18 七貴神(しちきじん) 4:41頃。大国主神と子供神6人の合計7人の神が登場し、親神が子供神に舞を教える舞。 大国主命(おおくにぬしのみこと)と子神六神

19 武智(ぶち) 5:33頃。「鞭かざし」とも言われる。戦いの準備の舞とも、龍王の舞とも言われる。 弟橘姫命(おとたちばなひめのみこと)・衣通郎姫命(そとほりいいらつひめのみこと)






20 大神(だいじん) 6:20頃。荒神の神威を大幣として表し、麻緒の力によって魔祓をして福を招来する祓いの力のこもった願神楽。
平成20年度は、地割りの竈祭と同時進行で行われた。

矢房八郎拝鷹天神(やぶさのはちろうはいたかてんじん)・道反命(みちのたんのみこと)・伊勢津彦(いせつひこ)



21 地割(じわり) 平成20年度は、大神と同時進行で竈祭が行われた。
平成20年度の佐藤家ではかつて竈時代に竈があった場所での竈祭があった。
6:48頃。土地の割り替えの舞。「山の神」を神格化した荒神が、密教の三宝荒神と習合して、のちに竈神としての神格が残った。台所で竈祭を行い、舞い込む。
須佐之男命(すさのおのみこと)【荒神】・太玉命(ふとたまのみこと)【幣差】・武御雷命(たけみかづちのみこと)【太刀舞】・天児屋根命(あめのこやねのみこと)【神主】・月読命(つくよみのみこと)【弓舞】












22 山森(やまもり) 4+1+2 7:24頃。龍神の舞。青龍・白龍・赤龍・黒龍・黄龍の五王尊が、鹿の皮を取ってきて太鼓を作る時の舞。 青龍王命(せいりゅうおうのみこと)・赤龍王命(しゃくりゅうおうのみこと)・白龍王命(はくりゅうおうのみこと)・黒龍王命(こくりゅうおうのみこと)・黄龍王命(おうりゅうおうのみこと)=大山祇命(おおやまずみのみこと)






23 日の前(ひのまえ) 7:44頃。「幣の舞」とも称され、外注連を祭る神楽。雨が降り出したため、外注連にシートがかけられた。御柴までに天気になってくれることを祈るのみ。 天児屋根命(あめのこやねのみこと)・猿田彦命(さるたひこのみこと)・天鈿女命(あめのうずめのみこと)・思兼神(おもいかねのかみ)







朝食・竈払い神事 朝食の間、台所で竈払い神事があっていました。
24 柴引(しばひき) 8:52頃。天香具山の榊を根ごと抜いて、岩戸の前に飾る舞。 太玉命(ふとたまのみこと)


25 伊勢(いせ) 9:09頃。岩戸開きを迎える祓いの舞。 天児屋根命(あめのこやねのみこと)


26 手力雄(たぢからお) 9:30頃。天照大神が天岩戸に隠れているところを探り、天岩戸を開くために思案する舞。 手力雄命(たぢからおのみこと)


27 鈿女(うずめ) 8:52。天鈿女命が、天岩戸の前で調子面白く舞った舞。 天鈿女命(あめのうずめのみこと)

28 戸取(ととり) 10:07。手力雄命が天岩戸を開き、岩戸を投げる舞。投げる場所は、「日向の国小戸の檍ヶ原」と「伊勢の国山田ヶ原」が一般的であるが、地区によっては、「信濃の国戸隠嶽」とする地区もある。 手力雄命(たぢからおのみこと)。
戸取りの明神(ととりのみょうじん)とも呼ばれる。





29 舞開(まいぎらき) 10:22。天岩戸が開いた喜びの舞。舞の途中から、神主が日月の鏡を手力雄命にわたす。奉仕者全員が御幣を手に賀歌(はぎうた)を歌う。「天の戸を押し分け出づるやー天の戸を」「月と日を諸手に持ちてやー舞い遊ぶ。月こそまされやー宵も照らしゃる。」 手力雄命(たぢからおのみこと)。




30 御柴(おんしば) 2+1 10:44頃。瓊瓊杵尊(十社大明神)と氏神(岩下権現)が柴に乗って神遊びをする舞。問答がある。平成20年度は、それまで雨だったが、小降りになったため、外での柴乗りも行われた。
十社大明神と氏神(岩下権現)




31 注連口(しめくち) 11:34頃。31注連口と32繰下は同時進行で行われる。神庭では4人舞いがある中、外注連の前では、入鬼神が入る。 入鬼神


32 繰下(くりおろし) みどりの糸を持って舞う。途中から、見学者も舞いに参加できる。 天児屋根命(あめのこやねのみこと)・天村雲命(あめのむらくものみこと)・天日鷲命(あめのひわしのみこと)・天帆負命(あめのほおいのみこと)。



33 雲下(くもおろし) 神楽33番のフィナーレ。雲から紙ふぶきが舞い落ちる。12時2分終了。 神漏美命(かむろみのみこと)・手置帆負命(たおきほおいのみこと)・太玉命(ふとたまのみこと)・思兼命(おもひかねのみこと)・天児屋根命(あめのこやめのみこと)

終わりの挨拶・せんぐまき 終わりの挨拶の後、せんぐまきがあった。12:05頃終了。

※浅ヶ部神楽は、毎年旧暦11月11日に行われていましたが、平成17年(2005)年からは変更になっています。
ちなみに平成20年(2008)年は12月20日(土)〜21日(日)でした。毎年の日程の確認をお願いします。
※基本的に浅ヶ部神楽見学の際は宿では何も出ませんので、各自夜食等を持ってこないとお腹がすきます。地元の方から「家に食べに来てください。」というお誘いの声を受けることもありますが、ついて行ってしまうと神楽は見れなくなります。平成18年度は、お呼ばれもしなくて、勝手に家に上がり込むという困った観光客の方がおられました。必ず呼ばれてから訪ねるようにしましょう。また、呼ばれた方は、呼ばれた家への御礼もお忘れ無く。
※家の中でありますが、戸を開けたままのため、一晩中見るということは、寒さとの戦いです。防寒具を忘れずに。
※浅ヶ部地区では、三脚が禁止されています。カメラやビデオ撮影には、手持ちもしくは一脚で、他の人に迷惑をかけないように見学しましょう。
※ここで紹介した時間は平成20年度のものであり、平成20年度以降は順番も時間も違いますのでそのつもりでお願いします。
※平成20年度は、晴れでしたが朝方が雨でした。幸い雪は降りませんでしたが、車で来られる方は、念のためにチェーン等滑り止めをお忘れなく。
※浅ヶ部地区は、裸電球だけの照明です。寒い中なのでカメラの電池の消耗も激しいです。撮影される方は普段より多めに電池をご準備されておいた方が良いかと思います。


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